はじめに
がんの治療法には手術療法、化学療法、放射線療法の三大療法があり、がんの種類や病期(がんの進行度合い)によって単独であるいは組み合わせて用いられています。この中で手術療法は治癒の可能性が高いものの、多くは比較的早期のがんが対象となります。進行がんでは治癒率が著しく低下するか適応そのものがなくなってしまうからです。その場合には化学療法が選択されますが、白血病などの一部を除き、治癒を期待することは難しく、延命を主眼に置いた治療となります。化学療法の問題点は、副作用が非常に強いことや奏効率(一定期間、腫瘍が消失もしくは一定レベル以上縮小する割合)が 2~3 割ほどしかないということで、これは言い換えると 7 割程度の患者さんには効果がなく副作用だけがあることになります。さらに化学療法には治療開始当初に効果があったとしても一時的なものが多く、いずれは効果がなくなってしまいます。